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Merrill C-28 (2001)

¥880,000. (税抜¥800,000.)

CONDITION:
EX+
TOP:
Adirondack Spruce
SIDE   BACK:
Honduras Rosewood
FINGER BOARD:
Ebony Slotted Diamonds & Squares
BRIDGE:
Ebony 1930 Style Belly Long Saddle
NUT WIDTH:
43mm
BRACING:
Scalloped X-Bracing(Forward Shifted)
PICKGUARD:
Black
SCALE:
645mm
BINDING:
Herringbone
TUNER:
Waverly
CASE:
Original Hard Case
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BLUE-G
ブルージーコーポレーション
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30年代のヴィンテージマーティンをリアルに再現した作品で絶大な支持を得るメリルで、初期製作のC-28が入荷しました!

Jim Merrill ジムメリルは1980年代から、リペアショップでヴィンテージ マーティンやギブソンの修理や修復を手がけ、1983年にD-18のコピーを作ったのを始めに、リペアの合間をぬってギター製作をはじめました。
その後、2000年にバージニア州の小さな工房でMerrill guitarを立ち上げ、マーティンのゴールデンエラ期の音を見事に再現したハイレベルなギターを製作しています。

独立してすぐはメリル・ブラザーズとして兄弟で作っており、その頃よりジャック・ローレンスやブラッド・デイビスがコリングスから持ち替えたり、デヴィッド・グリアがナッシュビル・ギターから持ち替えたりと、凄腕プレーヤー達が愛用したことで、ブルーグラス界で注目を集めました。

現在はすべての工程をジム・メリル一人で行っており、製作本数も激減し、新品のオーダーも難しく、なかなか手に入りにくいギターとなってしまいました。


今回入荷は、メリルのブランド立ち上げ当初からの名作、トラディショナルなドレッドノートのC-28で、以前に左利きで弾けるように改造されており、現在は再度、通常の右利きで弾けるように戻されて修復されております。

製造は2001年製で、初期製作の頃、俗に「メリル・ブラザーズ期」と呼ばれる時期の製造です。
メリルはマーチン等と同様に、ボディ内のネックブロックにモデル名とシリアルNoが打刻されておりますが、初期のメリルでは、モデル名の前にMerrill Brothersを意味する「MB」と刻印が入り、ヘッドロゴも大きめなデカールロゴという特徴があります。

また、ボディ材につきましては、トップ材にはアディロンダックを用い、サイド&バックには基本モデルではホンジュラスローズウッド、もしくはアマゾンローズウッドが用いられております。
カスタムでハカランダを用いたモデルも多く見掛けるメリルですが、基本モデルでもハカランダに負けないサウンドを得る為のチョイスかと思いますが、実際にこの初期製作のモデルを弾いて、パワフルで引き締まったトーンを聞くと、その辺りのメリルらしい拘りも感じられて、面白いギターでもあります。

そんなヘリンボーンのドレッドノートC-28を見ていくと、
トップはキリッとした木目を持つアディロンダックスプルース。
経年で飴色に焼けた木肌に、ヘリンボーントリムが渋くマッチする、良い表情をしております。
以前に左利き用に改造されておりましたので、ピックガードは張り替えられ、ブリッジのサドルスロットも、左利き用に切られた溝を埋めた跡が残っておりますが、目立たないように丁重に作業されております。

サイドバックは褐色の木肌を持つホンジュラスローズウッド。
やや明るめな色合いに、ほど良く暴れた木目がエキゾチックなルックスで、サイズ感が太いジグザグのセンターストリップやシンプルなバックバインディングなどと共に、ヴィンテージ風の渋い風合いを醸し出しております。

ネックは充分に乾燥させた古材のホンジュラスマホガニー。
マホガニーブラウンのカラーリングも絶妙で、ラッカー塗装を薄く仕上げ、ヴィンテージに迫った、素晴らしい質感のネックです。
30年代風の角ばったスマートなヘッド形状も印象的で、ウッディなローズウッドのヘッドプレートに、この時期らしい大きめなMerrillのデカールロゴが渋く収まり、ウェバリーのバタービンタイプのチューナーも見事にマッチします。
美しいエボニーの指板にはスロテッドダイヤモンドのポジションマーク、MARTIN「STYLE-28」の伝統的なシンプルで美しいスタイルが、丁寧に再現されています。

ヘッドの厚み感やボリュートの形状、ネックヒールなどの細部のディテールにもこだわり、ナット幅43mmの肉厚なネックのグリップ感もヴィンテージらしさを見事に再現しております。

戦前のフォアードXブレーシングのオリジナルヘリンボーンのD-28を弾いた時に感じる、箱の軽いギターの抱えた時のフィット感。
骨太の粘り強さがありながら、とてもスムーズで、自然なウッディな反応。すごく馴染むウッディな弾き心地が印象的です。
メリルは長年プリウォーマーチンのレストア、チューンナップ等を行ってきたので、そこで得たノウハウが彼の作るギターに生かされていて、ハッキリとした音像と、遠くに飛ぶ音色が素晴しいです。

登場時には「Martin以上にMartinらしい!」と感嘆された上質なトーンは、力強さと音の太さを持つ響きがボディを豪快に鳴らし、スパッと前に出るサウンドは、戦前のドレッドノートを思わせる骨太な感触があります。
ガッと強くストロークしても潰れる事無く広いレンジでキラキラと響く様は、上質なドレッドノートらしく、単音弾きでプレーン弦の中程の音でも、キリッと凛として主張を感じさせる鳴りは流石です!

製作から20年以上が経ち、以前に左用改造されていたのを右用にセッティングし直しておりますので、ナットやサドルの交換、ピックガードの交換なども有り、ヒールにストラップピンを取り付けた跡も有りますが、ネック周りは入荷時にセットアップしておりますので演奏性は良好です。
メリルらしい力強いトーンは健在で、経年でほど良い枯れ感も出てきたサウンドも良く、プレイヤーの方にお勧めの一本です!